生kill
全然嬉しくない定時退勤なんてあるんだ。
そう思いながら足取り重く訪れた歯医者。昨日書き記した通り歯が痛い。拗らせに拗らせた虫歯のせいで。散々怖いと痛いとネットに吐き散らかし、13階段を登る気持ちで訪れた歯医者さん。早く痛みから解放されたい、神経なんていくらでもあげるから、楽にしてほしい。そんな気持ちだった。
痛いのは嫌ですってみなさんよくいいますけどね、これまで痛いのを放って置いてこんなになるまで放ったっていうのにですよ。今も痛いでしょう?それなのに痛いのは嫌だってここにきて、都合がいいんですよね。痛くしたのは自分なんですよ。
キッツイ事言うなぁ。正直イラッとした。
ここに至るまでの葛藤とかあったのにな。酷くなる前に子供の頃なんて親は泣きじゃくる私の手を引いて病院連れてったけどそれでもふつーに痛かったけどな。生きてるんだから痛いし、痛いの嫌だって思うのは別に普通じゃん?クソが。
って言い返す気力もなく無力な私はだらしなく情けなく口をあんぐり震えながら開けて、私の痛いの嫌だな気持ちはひとつまみも摘まれないまま、神経剥き出しの穴ぼこに無慈悲に薬を詰められるのだった。麻酔なしのホンモノの痛みは体が震えるくらいに痛かった。痛くて体って震えるんだ、ってこんな事で生を知りたくなかったよ。もう痛すぎた。早く神経抜かれて無神経な体になりたい。
こんなに痛い思いをしたのにまだ治療は終わらないことの辛さ、痛みを考慮してもらえなかった心身の疲労感が酷く満身創痍の中南池袋公園で一息つく事にした。頭の中は[酷い目に遭った]でいっぱい。本当に酷い目に遭ったぞ、私は。でも公園に行った事は正解で、幾分、気分転換になった。グリーン大通りから見上げた空がとても綺麗だったから、それなら南池袋公園へ行けばもっと空が見渡せると思って。
帰宅して、靖子ちゃんのラジオを聴く。
病院行ったらご褒美に聞こう、そんな気持ちで朝から考えていた。夜更かしをできないからいつも大体1日遅れ。久しぶりに投稿したメールを靖子ちゃんが読んでくれた。ビックリマークなんて1つも使わず淡々と打ったメールだったのに、とても正しく抑揚をつけて読み上げてくれた事が嬉しかった。こういうことする友達いたらいいのに、なんて言った部分は耳を疑い何度も聞き直してしまった。私もこんなふうに言ってくれる友達が、当時ほしかった。そうしたら違う未来があったかもしれない。でもそれだと今に辿り着けない。
私は、今の距離感で出会えたこの世界線を気に入っているからこの先もずっと、何度生まれ変わっても今の距離感で同じ3ヶ月違いの同い歳のまま好きでいたいなと思った。
なお歯は痛むけど、
やっと明日で平日が終わる。